Google の検索品質評価ガイドライン(の一部)をプロが翻訳してみたよ その3

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Google の検索品質評価ガイドライン(の一部)をプロが翻訳してみたよ その3

今年の冬はあまり寒くない、なんて言ってた年末の自分に「油断するな」と言ってやりたい kimoto です。ほんと最近寒い。

本日はGoogle 検索品質評価ガイドラインの翻訳記事第三弾です。
その1その2はこちら)

今回はの目次はこちら。

なんせこのセクション7が長いです。
また、「12.8 リザルトブロックを理解する」は今回は割愛しています。

※ この文書はGoogle が発表したものをこちらで独自に日本語へ翻訳したものです。
オリジナルのドキュメントはこちら

協力:つぼログ。

12.7 ユーザーの意図を理解する

クエリには、次のうち 1 つまたは複数の意図があると考えることで、理解しやすくなる場合があります。

  • Know クエリ: このクエリの一部は Know Simple クエリ
  • Do クエリ: このクエリの一部はデバイス アクション クエリ
  • ウェブサイト クエリ: ユーザーは特定のウェブサイトやウェブページを検索
  • Visit-in-Person クエリ: このクエリの一部は、特定の企業や組織、またはビジネスのカテゴリを検索

「12.7」では、ユーザがどのような意図を持って検索をしたか、いくつかのパターンに分けて詳しく説明しています。 4つのパターンと、複数の意図があるパターンの、5つのサブセクションに分けて説明されています。

12.7.1 Know クエリと Know Simple クエリ

Know クエリの意図は、特定のトピックに関する情報を検索することです。ユーザーは、何かについての情報を得たいと考えています。

Know Simple クエリは Know クエリの一種です。Know Simple クエリは、事実や図表など、具体的な答えを調べるクエリです。この答えは正確かつ完全である必要があり、比較的小さなスペース (スマートフォンの画面のサイズ) に表示されます。一般的には、クエリに対する答えが正しいということをほとんどの人が同意できて、1 ~ 2 つの文または数個の項目のリストとして表示できる場合、Know Simple クエリであると言えます。

次に示すように、ほとんどのクエリは Know Simple クエリではありません。

  • 意味が広い、複雑、または詳細な内容を求める情報型クエリ。簡潔に答えることができない
  • 複数の意味を持つ、または内容が不明確な情報型クエリ
  • 議論の余地があるトピックに関する情報型クエリ
  • 明確な 「正しい答え」 がない情報型クエリ
  • ユーザーによって求める情報の種類や情報のソースが異なるクエリ

単純な事実を検索する Know Simple クエリの例を挙げます。小さなスペースで、正確かつ完全な答えを得ることができます。また、Know クエリは、Know Simple クエリよりも複雑です。

Know Simple クエリ Know クエリ 説明
[バラク オバマ 身長] [オバマの身長は] [バラク オバマ] Know クエリは、より広い情報のクエリで、ユーザーによって求める答えが異なります (経歴、書籍、ソーシャル メディアへの投稿など)。
[ニューヨーク市 人口 2013] [ニューヨーク市] Know クエリは、より広い情報のクエリで、ユーザーによって求める答えが異なります (旅行者向けの情報や旅行の計画に役立つ情報、事実、写真、歴史など)。
[バセドウ病の名前の由来となった人物は] [バセドウ病] Know クエリは、より広い医学的な情報を求めるクエリで、ユーザーによって求める答えが異なります。このクエリには、唯一の 「答え」 はありません。
[メイシーズ お店 時間] [メイシーズ ギフト ラッピング オプション] Know クエリは、あるデパートで提供される特定のサービスについて質問する、より広いクエリで、簡潔な答えがありません。
[ニッケルを表す記号は] [ニッケルの用途は] Know クエリは、より広いクエリで、簡潔で完全な答えはありません。
[2014 年の BCS ナショナル チャンピオンシップ ゲームで優勝したのは] [BCS ナショナル チャンピオンシップ ゲームで優勝するのは] Know クエリでは意見を求めており、明確な答えがありません。
[スターバックスの株価は] [スターバックスの株に投資すべきか] Know クエリは、理論上は 「はい」 か 「いいえ」 で答えられますが、誰もが納得する唯一の答えはありません。

評価者は、Know Simple クエリかどうかを判断する際、モバイル ユーザーのことを考える必要があります。この場合、自分の判断で評価してください。

評価の重要な例: [天気] というクエリは広い意味を持つように見えますが、ほとんどのモバイル ユーザーは、非常にシンプルな情報を求めています。つまり、現在または今後の気温や、特定の場所で雨や雪が降る確率を知りたがっています。そのため、[天気]、[天気 今日]、[天気 明日]、[天気 今週] のようなクエリは、スマートフォン ユーザーにとっては Know Simple クエリであると見なします。

「12.7.1」では、「Know クエリ」「Know Simple クエリ」というものについての説明があります。
何が Know クエリで何が Know Simple クエリかの判断が検索エンジンにとっては重要で、検索エンジンにとっては Know Simple クエリの方が明確なレスポンスを返しやすいといえます。

12.7.2 Do クエリとデバイス アクション クエリ

Do クエリの意図は、スマートフォン上で、ある目的を達成するか、アクティビティを実行することです。目的やアクティビティには、ダウンロード、購入、取得、エンターテインメント、ウェブサイトへのアクセス、アプリの実行などがあります。ユーザーは何かを実行したいのです。いくつか例を示します。

クエリ 想定されるユーザーの意図
[キャンディークラッシュ ゲーム 入手] キャンディークラッシュのゲームをインストールする
[オンライン 性格 テスト] オンラインの性格テストを実行する
[自分の bmi は] BMI (肥満度指数) を計算する
[市民ケーン dvd 購入] この DVD を購入する
[バブルスピナー] オンラインのバブルスピナーで遊ぶ、バブルスピナーのアプリをダウンロードする、またはバブルスピナーのアプリを開く

デバイス アクション クエリは、特殊な Do クエリです。ユーザーは、スマートフォンに何かを実行させようとします。デバイス アクション クエリを実行しようとするユーザーは、自動車の運転中にハンズフリー モードでスマートフォンを使用している場合があります。スマートフォンでは、デバイス アクション クエリに対応することが非常に重要です。これらの結果の評価には高い基準が設定されています。

デバイス アクション クエリには、通常、明確なアクションや意図を表す言葉が含まれます。多くの場合、クエリには動詞や動作を表す言葉が含まれます。「OK Google」、「Google」、「Siri」 などが含まれる場合もあります。自分の判断で評価してください。

デバイス アクション クエリの例をいくつか示します。

アクションの種類 デバイス アクション クエリの例
誰かに電話をかける [母の携帯に電話]、[アン ジョーンズに電話する]、[ok google 母に電話して]
メッセージを送信する [ジョン スミスにテキスト メッセージを送信]、[テキスト メッセージ ジョン スミス]、[sms ジョン スミス]
地図情報を取得する (方向、交通情報など) [セントラル パークへの行き方]、[交通情報を表示]、[地図を表示]
メディアを実行または閲覧する [ホワイト アルバムの曲を再生]、[ライフ・オブ・パイを見る]、[かわいい子猫を表示]、[かわいい子猫を見たい]、[イマジン ドラゴンズの radioactive を聞きたい]
会議を設定する [午前 9 時に会議を設定]
アラームまたはタイマーを設定する [午前 6 時にアラームをセット]、[アラーム 午前 6 時]、[タイマー 30 秒]

デバイス アクションではないクエリの例をいくつか示します。

クエリ クエリがデバイス アクション クエリではない理由の説明
[電話番号 エンパイアステートビル] アクションを表す言葉がありません。ユーザーは電話番号を調べていますが、実際に電話をかけるつもりはないかもしれません。これは Know Simple クエリと見なします。
[facebook.com] 「開く」 などのアクションを表す言葉がありません。これはウェブサイト クエリと見なします。
[amazon.com] 「開く」 などのアクションを表す言葉がありません。これはウェブサイト クエリと見なします。
[アン ジョーンズ] 「電話」、「テキスト メッセージ」 などのアクションを表す言葉がありません。これは、情報を知ろうとする Know クエリと見なします。

このセクションでは、Do クエリについての説明をしています。
こうしてみると、なるほど色いろあるんだなーと思わされます。
デバイスアクションクエリは検索エンジンというより、端末そのものに対する働きかけ、という感じですね(いや、デバイスアクションという名前そのままですけど…)。文字や言葉でアクションさせようとした事があまりないので、ちょっと近未来的なイメージが湧いてしまいました。

12.7.3 ウェブサイト クエリ

ウェブサイト クエリの意図は、ユーザーが要求した特定のウェブサイトまたはウェブページを表示することです。この単一のウェブページを、クエリのターゲットと呼びます。

ウェブサイト クエリの 1 つに URL クエリがあります。次のような場合が考えられます。

  • 正確かつ完全な形で、実際に機能する URL。例: [http://www.ibm.com]、[www.ibm.com]、[ibm.com]
  • 不完全な URL のクエリ: URL クエリに似ているが、実際には機能しないクエリ。このような URL をブラウザのアドレス バーに入力または貼り付けても、ページがロードされない。その場合でも、ユーザーが特定のページを意図していると想定

いくつか例を示します。

Know Simple クエリ Know クエリ
[kayak] Kayak のウェブサイトを表示する
[youtube] YouTube のウェブサイトを表示する
[ebay]、ロケール: Italian (IT) eBay のイタリア語のウェブサイトを表示する
[ニューヨーク タイムズ 健康欄] ニューヨーク タイムズのウェブサイトの健康欄を表示する
[canon.com eos デジタル カメラ] Canon のウェブサイトでデジタル カメラ EOS のページを表示する

「12.7.3」ではウェブサイトクエリの説明です。これは身近な話なので理解しやすいですね。

12.7.4 Visit-in-Person クエリとユーザー ロケーション

ユーザーは、職場、学校、レストラン、買い物などへ、スマートフォンを一日中持ち歩きます。スマートフォンを持ち歩く理由の 1 つは、喫茶店、ガソリンスタンド、ATM、レストランの検索などの、Visit-in-Person (ユーザーが直接訪れる) クエリを実行するためです。スマートフォンは Visit-in-Person クエリに使用されることが多いため、スマートフォン ユーザーによる Visit-in-Person の意図の可能性を考慮します。

付近の情報や結果 (企業、組織などの付近の施設) を明確に求めているクエリもあれば、求めていないクエリもあります。いくつか例を示します。

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どちらにも当てはまるクエリもあります。付近の結果を求めている場合と、求めていない場合の両方が考えられるクエリです。

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Visit-in-Person である場合とそうではない場合の両方が考えられるクエリの例です。

  • [ホテル]
  • [郵便局]
  • [アップルストア]
  • [シティバンク]
  • [オフィスデポ]
  • [図書館]
  • [バンクオブアメリカ]
  • [gap]

ユーザー ロケーションによってクエリの解釈が変わる場合があります。サニーベールやカリフォルニア付近のユーザーにとって、[turmeric] というクエリには、Turmeric という有名なレストランの名前と、香辛料のターメリックという 2 通りの解釈があります。

160115_kimoto_03.png

大部分のほかのユーザー ロケーションには Turmeric というレストランはなく、[turmeric] は香辛料としてのみ解釈されます。カリフォルニア州サニーベールにあるレストランは、サニーベール以外ではあまり知られていません。

160115_kimoto_04.png

クエリについてよく考え、Visit-in-Person の意図があるかどうかを判断します。

位置情報をオンにしている場合、検索エンジンにとってはいろいろと判断しなければならない事が増えるようです。判断材料が増えるとも言えますが。
ユーザーにとっては、適切に判断してくれるのであればこれほど便利な事はないですね。

12.7.5 ユーザーの意図が複数あるクエリ

多くのクエリには、ユーザーの意図が複数あります。どの意図が適切なのかを判断します。

クエリ 想定されるユーザーの意図
[ハーバード] ユーザーの要求と場所によって、オフィシャル ホームページ (ウェブサイト) へのアクセス、ルート検索 (Visit-in-Person)、または大学についての詳細情報の検索 (Know) が考えられます。
[ウォルマート] ほとんどのユーザーは、付近のウォルマートに行きたいか (Visit-in-Person)、ホームページにアクセスしてオンライン ショッピングをしたい (ウェブサイト) と考えています。企業についての詳細情報を知りたいユーザーもいるでしょう (Know)。

ユーザによって意図が変わってくる例です。こういう場合はいくつかの選択肢を示して、ユーザに選ばせる方になるのだと思います。

12.9 自分のスマートフォンでの実行結果を評価する

評価者の使用しているスマートフォン、オペレーティング システム、およびブラウザが異なると、実行結果が異なる場合があります。一般的には、通常実行すると考えられる操作を実行し、自身の実行結果に基づいて評価してください。スマートフォンで評価を行う際に注意すべき点がほかにもいくつかあります。

  • スマートフォンでランディング ページを開いたときに、次のいずれかのメッセージが表示された場合は、説明の内容に従ってください。
    • ブラウザまたはウェブサイト用のアプリでページを開くかどうか聞かれた場合: ウェブページを開いて評価します。ただし、スマートフォンの設定によっては、デフォルトで自動的に特定のアプリが開く (YouTube ページはすべて自動で YouTube アプリで開かれる設定など) ことがあります。その場合は、アプリの設定に従った実行結果を評価してください。スマートフォンのデフォルト設定を変更する必要はありません。
    • モバイル ページを開くかデスクトップ ページを開くか聞かれた場合: ランディング ページが同じである場合は、モバイル ページを選択してください。モバイル用のオプションにより、評価作業に含まれる特定の URL ではなく、モバイル用のホームページが開く場合があります。場合によっては、モバイル ページの URL がデスクトップ ページの URL と実際に同じかどうかを確認する必要があります。
  • PDF ファイルを開いて確認してください。スマートフォンやブラウザによっては、ほかの評価者よりも操作が難しかったり簡単だったりする場合がありますが、その場合でも、PDF ファイルを開いて確認してください。
  • デスクトップ コンピュータでの評価作業を割り当てられる場合もありますが、特に指示された場合を除き、モバイル ユーザーの観点で評価してください。
  • デバイス アクション クエリおよびデバイス アクションのリザルトブロック (アプリのインストールや実行を行うクエリを含む) の評価を行う場合は、指示の中で明確に説明されている場合を除き、クエリは Android デバイスで発行されたものと想定してください。

「12.9」では、評価者に向けた注意事項についてです。

ということで

全3回にわたって続いてきたこのシリーズも今回で最後です。
コンテンツ作成者側としてもいろいろと参考になる情報も多かったのではないでしょうか。
お役に立てれば幸いです。

シリーズ一覧

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