オープンソース版 Movable Type on Debian GNU/Linux

オープンソース版 Movable Type on Debian GNU/Linux

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オープンソース版 Movable Type を勉強用に使いたいのだけど、Debian のパッケージとして用意されてないのかな、と思って探したら、ありがたいことに用意されていました。まだテスト版ですが勉強用なら積極的に使いたいと思います。

なんとかインストールできましたが、いくつかの手順を踏む必要があったのでインストール方法を紹介します。(基本部分のインストールは済んでいることを前提とします)

どのバージョンにインストールできるか

現時点ではテスト版(コードネーム lenny)で利用できます。Debian のバージョンが不明なときでも、利用できるかどうかはコンソール(root 権限が必要です)で


$ sudo apt-get update # パッケージ情報の更新
$ sudo apt-cache search movabletype-opensource # パッケージ名や概要から検索

と検索してみて該当のパッケージがあれば利用できます。( /etc/debian_version を見て Debian のバージョンも調べてみてください)

オープンソース版 MT のバージョンは現時点で 4.1.6 がインストールされます。

オープンソース版 MT (以下 MTOS) をインストールする前に必要なパッケージをインストール

MTOS をインストールするためにはデータベースが必要です。今回は MySQL をデータベースとして選びました。他に PostgreSQL と SQLite を選ぶことができるようです。movabletype-opensource と一緒に apt-get すると、データベースにアクセスできない、と注意されますので、先にインストールします。Apache もインストールします。

注意:ここからは root 権限のコマンド実行に sudo を常用していますが、su でもかまわない環境で作業する場合は取り除いてコマンド実行してください


$ sudo apt-get install apache2 mysql-server mysql-client
(略)
アップグレード: 0 個、新規インストール: 21 個、削除: 0 個、保留: 6 個。
40.2MB のアーカイブを取得する必要があります。
この操作後に追加で 118MB のディスク容量が消費されます。
続行しますか [Y/n]? y[enter]
(略)
インストール直後は MySQL の root パスワードが空文字列になっているので変更します。(勉強用の閉じた環境で実害はないのですが)

$ mysqladmin -u root -h localhost password "MySQL の root パスワード(書き換えてください)"
これで前準備は終わりです。

MTOS のインストール

さあいよいよ MTOS のインストールです。コンソールで以下の通り実行してください。


$ sudo apt-get install movabletype-opensource
(略)
アップグレード: 0 個、新規インストール: 274 個、削除: 0 個、保留: 0 個。
95.8MB のアーカイブを取得する必要があります。
この操作後に追加で 296MB のディスク容量が消費されます。
続行しますか [Y/n]? y[enter]
(略)

結構沢山の HDD 容量が必要になります。僕の環境ではパッケージのダウンロードだけで 10 分弱かかりました。さて、ダウンロードが終わると、設定画面が表示されますので、手順に従って設定します。

Install Movable Type?
このパッケージではデータベースの設定を手助けしてくれます。この設定が終わったら、 Web から管理画面にアクセスした最初の人が管理者の設定をする、といった内容のようです。はいを選択し、[enter]
Configure database for movabletype-opensource with dbconfig-common?
いくつかの質問に従って設定する場合ははい、手作業でやるか、すでにデータベースがある場合はいいえを選択します。ここでははいを選択し、[enter]
Database type to be used by movabletype-opensource:
データベースのタイプを選びます。ここではmysqlを選択し、[enter]
Password of your database's administrative user:
MySQL のパスワードを訪ねられていますので、さきほど mysqladmin を使って変更したパスワードを入力して [enter]
MySQL application password for movabletype-opensource:
MTOS のデータベース用パスワードを聞かれます。新しくデータベースを作るので、新しく決めたパスワードを入力して[enter]
Password confirmation:
パスワードの確認です。さっきと同じパスワードをもう一度入力して [enter]

ここから多くのパッケージのインストールが自動的に行われるのに時間がかかると思いますが、これでパッケージのインストールとデータベースの設定が終わりました。メッセージは英語ですが、データベースの設定を手作業でしなくて済むので楽かもしれません。/etc/movabletype-opensource/mt-config.cgi も生成されています。

トラブルシューティング

さて、うまくいった方は読み飛ばしてもらってかまわないのですが、このステップで失敗した場合、sudo dpkg-reconfigure movabletype-opensource で、設定をやり直すことができます。その際、設定ファイルのパーミッションなどが変更されないようなので手動で変更します。具体的には


$ cd /etc/movabletype-opensource
$ ls -al
合計 12
drwxr-xr-x  2 root root 4096 2008-05-18 08:21 .
drwxr-xr-x 81 root root 4096 2008-05-18 10:19 ..
-rw-------  1 root root  285 2008-05-18 08:21 mt-config.cgi

となっていたらMTからこのファイルを読み込めず、サインアップできないので、手動で


$ sudo chown :www-data mt-config.cgi
$ sudo chmod 640 mt-config.cgi

と実行して変更します。

Web からサインアップする

ここからは Web から設定していきます。MTOS をインストールしたことがあるかたにはおなじみの画面ですね。

まず、http://mtos4.lenny/cgi-bin/movabletype/mt.cgiにアクセス(mtos4.lenny の部分はみなさんの環境(コンソールで hostname コマンドへの返事など)に合わせてください。デスクトップ環境も一緒にインストールした場合は localhost でもアクセスできるはずです。)

管理者ユーザの設定です。メッセージが英語で表示されますが、上から順に管理者ユーザ名、管理者の表示される名前、メールアドレス、ユーザインターフェースで使う言語、管理者ユーザのパスワード、パスワードの確認、パスワードの復旧に使うフレーズです。ここでは、メールアドレスを tanaka@example.com、Language を Japanese にしてそれ以外をすべて tanaka にしました。Continue を選択

次にブログの設定です。Blog Name (ブログ名)は Tanaka's Blog 、Blog URL (ブログURL) は http://mtos4.lenny/blog/ 、Publishing Path (静的ファイルの出力先)は /var/www/blog 、Timezone (タイムゾーン)は、 UTC+9 (Japan Time) と入力しました。各自の環境や好みに合わせて変更してください。Apache のデフォルトの設定なら上記でOKです。ここで Finish install を選択すると、


The path provided below is not writable.

と注意されます。設定した場所には書き込むことができないといっていますので、


$ sudo mkdir /var/www/blog
$ sudo chown www-data:www-data /var/www/blog

というふうに、MT が静的ファイルを書き込みできるようにしましょう。(Debianの場合、Apache は www-data というユーザーでファイルシステムにアクセスします。)もう一度 Finish install すると、Sign in できるようになります。

サインインしたら、上部タブの右から 2 番目のアイコン(くるくる回っている)を押し、再構築すると、先ほど設定した Blog URL で生成したブログを見ることができます。

まとめと補足

データベースや、出力先などどうしてもユーザが決めなければならない部分はありますが、aptで管理されるのはとてもありがたいです。aptが自動的に設定してくれる部分については /usr/share/doc/movabletype-opensource/README.Debian に説明がありました。スムーズにいかなかったときの解説まではできませんでしたが、MTOS を Debian にインストールする際に参考にしていただけたら幸いです。

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