Helvetica を効果的に使った CD アートワーク 5 選
バシャログ。アドベントカレンダー6日目です。お世話になっております。sakai です。
好きなマンガはめぞん一刻、好きな映画はベイブ、好きなフォントは Helvetica です。
Helvetica については、あえて説明の必要もないでしょう。ザックリ言えば、1950 年代にスイスで生まれ、今に至るまで世界中で愛され続け、多くの企業ロゴやグラフィックデザインで使用されている、ド定番のフォントです。
今回は、Helvetica を使った素敵な CD ジャケットをいくつかご紹介します。
Spiritualized 「Ladies & Gentlemen We're Floating in Space」
イギリスのサイケ・バンド、スピリチュアライズドの最高傑作と誉れ高い名盤です。
ジャケットのデザインはタイポグラフィと幾何学模様の非常にシンプルなものですが、これは薬のパッケージを模したものです。
あえてド定番の Helvetica を使うことで、デザインの無機質さが際立っています。カッコいい…
スピリチュアライズドは、本作の後の何作かの作品でも薬のパッケージを模したアートワークを続けていて、おそらくそのすべてで Helvetica が使われています。
New Order 「Waiting for the Sirens Call」
こちらもイギリスのバンド、ニュー・オーダーの 2005 年発表の作品です。
ミニマルなデザインは、ちょっと衝撃的ですらあります。
ニュー・オーダーは、前身のジョイ・ディビジョンの作品も含め、とても効果的に Helvetica をアートワークに取り込んでいます。
“NewOrder”の表記をするにも、NEW が大文字で order が小文字とか、New が太字で Order が細字とか、そういう細かいフォントの技というか、使いかたが個人的にとても好みです。
Cymbals 「Mr.Noone Special」
今や現代シティポップの女王となった感のある土岐麻子さんが在籍していた、ポスト渋谷系バンドの 2000 年発表の作品です。もう 20 年前だと…?!
意味がよくわからない作品タイトルに、意図がよくわからないイラスト。何かのユーモアっぽいけど、いまいち理解できない… という複雑な気持ちを Helvetica の安定感がビシッと締めてくれている気がします。気のせいでしょうか。
この作品の初回限定盤(三方背BOX)には帯がついていて、そちらもキッチリ Helvetica でデザインされています。
具島直子 「アーバン・ブルース プレゼンツ ベスト・オブ・具島直子」
こちらは今年の 7 月に発売されたばかりの具島直子さんのベストアルバムです。
ここ最近で、個人的に一番「グッ」ときたアートワークでした。
昨今のシティポップ・ブームにガッツリ乗っかってるようなジャケット写真ですが、大人っぽい雰囲気が Helvetica と相性バッチリです。「URBAN BLUES」だけセリフ体を使っているのも、なんかカッコいいですよね。
ワンダフル・パレード selected&remixed by田島貴男(ORIGINAL LOVE)
最後にご紹介するのは、(おそらく)今はなきインディーレーベル、フィルター・レコードのオムニバス作品です。所属アーティストの Linus of Hollywood とか当時ムチャクチャ好きでした。
この作品のアートワークは、個人的には一番影響を受けました。このアートワークのオシャレさに衝撃を受けて、しばらくは家具や日用雑貨など、買うものすべてオレンジ色を選ぶようになり、部屋がオレンジだらけになりました。
文字が黒ではなく、シルバーというのも、絶妙だと思います。いまだにこの作品のアートワークを超えるお気に入りは出てきていません。
以上、5 作品を紹介しました。いかがでしたでしょうか。
みなさんも、Helvetica を使ったお気に入りの CD ジャケットがありましたら、ぜひ教えてください。
蛇足
Helvetica が好きになったのは、「ヘルベチカ」の本、という本との出会いがあったからかもしれません。(よく覚えていない…)
せっかくなので、そちらの本もご紹介します。
残念ながら現在は絶版のようです...
2005 年に初版が出ているので、もう 15 年近くたっていますが、紙の縁が焼けてきて、これはこれで味わい深い雰囲気になりました。
中身はこんな感じで、Helvetica の魅力がたっぷり詰まっています。
さらに蛇足
Helvetica が好きすぎて、仕事で使用しているペンも伊藤屋の「ヘルベチカ」です。もはやフォントは関係ありません。
こちらも 10 年以上? 仕事で毎日使用しているので、だいぶ傷だらけで塗装も剥げていますが、まだまだ大事に使用しています。
リフィルは三菱鉛筆の JETSTREAM に換装しています。そのため、書き味は最高です。
物理的に軸が破損しない限りは、このまま死ぬまで使いつづけそうです。
最後に
最後の最後に大事な情報です。
今年の 4 月に Helvetica をアップデートした Helvetica Now が発表されました。
Helvetica Now
https://www.monotype.com/fonts/helvetica-now
★キービジュアルの動画がムチャかっこいいです。
あの有名フォント「Helvetica」は、こうしてデジタル時代に生まれ変わった [WIRED の記事]
https://wired.jp/2019/04/25/helvetica-now/
定番フォントの新ファミリー「Helvetica Now」登場--現代的な使い方に合うデザイン [CNET Japan の記事]
https://japan.cnet.com/article/35135754/
Helvetica Now も入手するチャンスがあったら是非使ってみたいところです。
次回はバシャログ。のアイドル、sito の記事です。
それでは、今後ともバシャログ。をどうぞよろしくお願いいたします。