技術書典5で買い物をしてきました
暦の上では毎週のように3連休ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。kagata です。このままだとわたしは週に5日働けない体になりそうです。
さて今回は表題のとおり、先の3連休に出かけてきた「技術書典5」についてご報告申し上げます。
技術書典とは
新しい技術に出会えるお祭りです。 技術書典は、いろんな技術の普及を手伝いたいとの想いではじまりました。 技術書を中心として出展者はノウハウを詰め込み、来場者はこの場にしかないおもしろい技術書をさがし求める、技術に関わる人のための場として『技術書典』を開催します。
IT 技術関連の同人誌がたくさん集まるイベントです。
第1回の開催が2016年6月で、今回が6度目の開催になるそうです(ナンバリングタイトル5回+ニコニコ超会議併催の「超技術書典」)。
実は第1回にも足を運んでいるのですが、会場前にガチみたいな人たちがたむろしているのにびびって入場せず帰ったという苦い思い出があります。2度目の挑戦となる今回は、自分のような素人(?)にもこわくない雰囲気になっていました(そもそも第1回も気のせいだったかもしれない)。
第1回の来場者が1,400人に対して、今回の来場者は1万人を超えたそうです。急速な盛り上がりを感じますね。
今回の収穫
買ってきたものを一挙紹介します。こうやって並べてみると、いまいち趣味のよくわからない人になってしまっているような。
運01 技術書典運営事務局
- 『技術季報 vol.4』
主催者が発行する「技術書典公式ファンブック」です。サークル一覧のほか、運営の裏話や前回の開催レポートが読めます。
ス02 アンテナハウスCAS電子出版
- 道廣勇司『MathML 数式組版入門 Ver1.1』
趣味でコンピューターの画面上に数式を書きたいことが最近たまにあって、学生のころにやった LaTeX のことを思い出していたところでした。LaTeX の解説書はいろいろ出ていますが、MathML の解説書とはめずらしいですね、と思って購入。
今回買ったものの中では唯一の ISBN がついた本でした。Amazon などでも売っているほか、電子版は全編公開されています(買ってから気づいた)。
あ20 湊川あいの、わかば家。
- 湊川あい『マンガでわかる Docker② 〜開発環境を作ろう編〜』
この界隈では人気の漫画家である湊川あい先生の新作。先日の CSS Nite in Yokohama, vol.2 で前作『マンガでわかる Docker』を買って読んでいたので続編を購入。
い30 GarbageCollection
- 出水洸太郎『仮面ライダービルドの数式が分かる本』
仮面ライダービルドの各話冒頭に登場していた話数の数式とその解説が全49話分まとまった本です。ブルーレイボックスといっしょに置いておきたくて購入。
話数の数式?なにそれ?とお思いの向きには、数式を選んだ白石直人さんの公式ドキュメントや下記解説記事をご覧いただくとよいかもしれません。
仮面ライダーの話数の数式とインテジャーズ - INTEGERS
ちなみに、技術書典5の2日前に開催された MATH POWER 2018 というイベントでは、上記記事の作者が話数の数式を解説するセッションも開かれていました。タイムリーですね。
き31 かまずにまるのみ
- tadaaki『プログラミング勉強中の人にオブジェクト指向とは何なのかなんとなく伝えたい本』
- tadaaki『ふんわりさっくりLinuxカーネル』
- tadaaki『文鳥と読む労働法』
下の記事を見て以来ただあきさんのファンです。とくに「依存関係逆転の法則」のイラストが素敵。
ジャケ買いならぬ表紙買いでした。そして、読むと OOM Killer シールがほしくなったり。
き32 ゆるげぶ
- ゆるげぶ『ゲーデル、エッシャー、バッハの薄い本#3』
読みたいけれど置くところがない憧れの本のひとつ『ゲーデル、エッシャー、バッハ』略して GEB の読書サークル「ゆるげぶ」さんの同人誌です。
これだけ薄ければ狭い我が家にも置ける!と興奮して購入。野崎昭弘先生(GEB を翻訳した数学者)へのインタビュー記事にびっくりしました。これはすごい。
け13 わんこ亭
- Lionas『ハードウェア初心者でもできる かんたん電子楽器製作(本+電子版)』
Android Things で電子楽器をつくる本。「ハードウェア初心者でもできる」に「ぼくのことですね?」とつい反応して購入。
今回買った本の中ではいちばん厚いです。200ページ近くあります。工作の本なので、写真や図版がふんだんにのせられているのはありがたいですね。
け52 つのぶえ出版
- 竹本雄貴『Netlify で始めるサーバーレス開発』
- 竹本雄貴『GatsbyJS で作るモダンウェブサイト』
爆速静的サイトホスティングと FaaS を提供する Netlify、そして React ベースの静的サイトジェネレータ GatsbyJS の解説書です。ちょうど Netlify を使ってみたいと思っていたところだったので、そして GatsbyJS のことを知らなかったのでいっしょに購入。
反省会:技術書典6の攻略に向けて
先にも書いたとおり、技術書典に行くのは今回が初めてでした。あれはああしておけばよかったな、という点がいくつかあるので、次回(開催は未定だと思いますが)に向けて整理しておきます。
1. 事前の計画が大事だった
1-1. 見たいサークル、買いたい本
会場は常に来場者でごった返しています。人の波にもまれて、場内を行ったり来たりするととても疲れます。公式サイトのサークルリストやマップをあらかじめチェックして、順序よく移動できるよう計画しておくべきでした。
また、一巡したつもりでも、あとでサークルリストを見直すと「あれっこんな本売ってたの?買えばよかった」というものがちらちら出てきました。事前にリストをちゃんと読んでおけばよかったです。
さらに、Web 上で来場前に目当てのサークルにチェックを入れておくと、その数が入稿部数の参考にされるそうです。今回はさいわい「買いたいものが売り切れてる!」という事態には遭遇しなかったのですが、チェックしておくに越したことはないですね。
1-2. 決済方法
会場では現金のほか、サークルにより pixiv PAY や技術書典独自の「かんたん後払いシステム」が利用できました。たくさん買いたいけれど現金を持ち歩きたくない、とか、とにかく金に糸目をつけずほしいものはすべて買いたい、とかいうことであれば、スマートフォンにアプリを入れておくなど事前に準備しておく必要があります。
ただ、わたしは心が弱いので、手持ちの予算以上の買い物ができない現金決済でよかった面もあるかもしれません(場内に ATM などは見当たりませんでした)。
ちなみに、商品の値付けは1部1,000円が主流でした。お釣りを出してもらうのが悪いから…と1,000円札と細かい硬貨をそれなりに準備していたのですが、硬貨はあまり出番がありませんでした。ただ、800円の品物を買うのに1,300円を出したらすごく喜ばれたことが一度だけありました。100円玉が足りなくなっていたんでしょうね。値付けによっては、やはりおつりに苦しむことがあるようです。
2. 来場のタイミングはいつがよかったのか
今回は11時開場でした。わたしは11時15分ごろに来場して、30分くらい並んで入場し、13時すぎに会場を出ました。このタイミングがよかったのか悪かったのか、ちょっとよくわからないところです。
公式 Twitter によると、当日は9時15分ごろから来場者が並び始めて、12時45分ごろに行列が解消したそうです。もう少しゆっくり来ていたら、並ばずに入場できたのでしょうか。
一方で、行列が解消したという13時ごろはその1時間前よりも場内の混雑が激しかったように思います。また、遅くなればなるほど、品切れも出てくるでしょう。
並んででも早めに入場するか、好きなタイミングで入場して場内でがんばるか、判断の分かれるところです。
3. 見本誌を読もう
同じサークルで頒布中の『人工知能のための哲学熟』はまだ在庫があります。人工知能研究者が自分の著者をGoogle翻訳して、そこにツッコミを入れるという面白い取組! #技術書典 pic.twitter.com/5b1MmC20vp
— 井上 恭輔 (きょろ)@技術書展5 う-16 (@kyoro353) 2018年10月8日
この本の表紙を会場で見たとき、「日本語版を読んだからいいや、しかも Google 翻訳でしょう?」と思ってスルーしていました…。本題は英語の本文じゃなくて、著者のツッコミのほうだったんですね…。そうと知っていれば、ぜひ読みたかった。
こういうことがあるので、目についた本は表紙だけで中身を判断せず、ぜひ立ち読みしましょう。多くのサークルブースでは、商品とは別に立ち読み用の「見本誌」を用意してくれています。また、立ち読み専用のスペースも用意されていました。
まとめ
技術書好きにはたまらないイベントでした。うまく立ち回るには若干のコツがいるようですが、何かしらコンピュータに興味のある人ならどんな分野・レベルでも楽しめるんじゃないでしょうか。
昨今の同人誌には Web で電子版が購入できるものも多いですが、リアルイベントで並んでいる本や売れ筋を見ていると、次の技術トレンドを占う参考にもなりそうな気がしました。次回もぜひ参加しようと思います。