新訳『エクストリームプログラミング』の次に読む本のまとめ

新訳『エクストリームプログラミング』の次に読む本のまとめ

生まれて初めて自分のお金で温泉旅行をした kagata です。これまで旅といえば現地で珍しいものを食べたいがために宿代をけちるのがいつものパターンでしたが、たまにいい宿に泊まると「メシより宿」の格言ももっともだなと感じます。

さて、先日ケント・ベック『エクストリームプログラミング』第2版の新訳版が発売されました。原題の “Extreme Programming Explained” を略して XPE ともいうそうですね。

これまでアジャイル開発手法にはあまり縁がなかったのですが、これを読んでたいへん感銘を受けたので、これからちょっと掘り下げて勉強してみようと思いました。今回は、これからの勉強の指針として、次に読んでみたい本をまとめることにします。

エクストリームプログラミングとアジャイル開発手法と XPE について

まずはエクストリームプログラミングやアジャイル開発手法の位置づけについて、かんたんにまとめておきます。

2001年、アメリカはユタ州スノーバードのスキーリゾートに17人のソフトウェアエンジニアが集まり『アジャイルソフトウェア開発宣言』という文書を取りまとめました。

参加した17人のエンジニアは、当時「軽量開発手法」などと呼ばれていた新しい開発手法をそれぞれ独立に編み出した人たちでした。この宣言を期に、それら開発手法は「アジャイル」な開発手法と呼ばれるようになりました。

その17人の中に、ケント・ベックという人がいました。彼の編み出した開発手法が「エクストリームプログラミング」です。そして彼自身がエクストリームプログラミングを解説するのが、今回読んだ XPE という本です。

つまり、アジャイル開発手法というのは特定の手法のことではなく、アジャイルソフトウェア開発宣言にのっとったさまざまな開発手法全体の呼び名ということです。そして、エクストリームプログラミングはその中の手法のひとつです。同じく17人のひとりであるジェフ・サザーランドが提唱した「スクラム」も、同じくアジャイル開発手法のひとつとして有名ですね。

XPE の次に読む本とか

上のおおまかな位置づけを踏まえたうえで、エクストリームプログラミングやアジャイル開発手法を学ぶにあたり、XPE の次に読む本はどれにしようか考えてみました。

エクストリームプログラミングの本

入り口がエクストリームプログラミングだったので、さらにエクストリームプログラミングを掘り下げる本を読んでみることにしました。

今はオライリーの『アート・オブ・アジャイル デベロップメント――組織を成功に導くエクストリームプログラミング』を読んでいます。XPE はどちらかというと原理原則や哲学の話が多いですが、こちらはさらに実務的です。

さらに歴史的な側面から解説する本として『パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則』も読んでみたいです。

アジャイル17人衆の本

エクストリームプログラミングに限定しなければ、アジャイル関係の解説書はたくさん出ています。その中から、より原点に近いだろうと期待して『アジャイルソフトウェア開発宣言』の17人の起草者が書いた本を探してみました。

ちょうど XPE の新訳と同時期に、ジェフ・サザーランド『スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術』が出ていました。新刊ということで、気になるところです。

昨年邦訳が出て話題になった『新装版 リファクタリング 既存のコードを安全に改善する』の著者マーチン・ファウラーも、『アジャイルソフトウェア開発宣言』の起草者のひとりでした。リファクタリングも、アジャイル開発手法には欠かせない技術ですね。

そのほか、絶版書も含めるといろいろ出てきそうです。

新訳 XPE 刊行記念講演

新訳 XPE の訳者による講演が先日開催されました。その映像とスライドが公開されています。XPE を読みとく助けになりそうなので、本ではないですがここにのせておきます。

XPE 巻末の参考文献リスト

XPE は参考文献リストがたいへん充実していて、著者ケント・ベックの読書家ぶりがうかがえます。文献ひとつひとつに解説がついているのもありがたいですね。ノーバート・ウィーナー『サイバネティックス――動物と機械における制御と通信』は自宅のどこかに読まずに積んであるはず…。

まとめ

新訳『エクストリームプログラミング』からアジャイル開発の勉強を始めたわたしが次に読みたい本を探しました。この手の名著や古典をもっと読みたい今日このごろです。

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