【WordPress】WordCamp Kansai 2014 で本邦初開催のコントリビューターデイに参加した話 #wckansai
先週末は移動がハードで体のいろんなところを痛めてしまった kagata です。
そんな体を痛めてまで出かけていたのが、さる6月7日(土)8日(日)両日に大阪で開催された WordPress のカンファレンス WordCamp Kansai 2014 です。実行委員長の額賀さんはおっしゃいました。
みんなブログを書くまでWordCampですぞ! #wckansai
— 額賀順子 (@nukaga) 2014, 6月 8
ということで、当バシャログも参加レポートをお送りします。今回のお目当てだった、2日めに開催の日本初!「コントリビューターデイ」の顛末について報告します。
コントリビューターデイとは
コントリビューターデイの何たるかは、WordCamp Kansai 2014 の公式サイトで実行委員の宮内さんが詳しく紹介されています。
WordPressプロジェクトは、単にプログラマーだけでなくドキュメントを書く人やフォーラムに回答する人、テーマやプラグインの翻訳をする人など、すごく大勢の人がコラボレーションすることで、現在のような巨大なコミュニティとなりました。
コントリビューターデイは、実際に手を動かすことを通してこのコミュニティを中心になって支えてくれる人たちを育てちゃおうっていうイベントなんです。
Codex の翻訳に参加しました
WordPress コミュニティへの貢献にはいろいろな方法が考えられます。今回のコントリビューターデイでは次の班が作られました。
- WordPress フォーラムの質問に答える
- WordPress Codex (公式リファレンス)を翻訳する
- 配布されているプラグインやテーマを翻訳する
- プラグインを開発して公開する
- テーマを制作して公開する
- WordPress コアにパッチを送る
この中から、今回わたしは Codex の翻訳を選びました。主に理由は2つ。
- どこかで Codex 翻訳の人出がぜんぜん足りないと聞いたことがある…一方、プラグイン作者はわりとたくさん見かける(気がする)
- プラグインなら自作したことがある(配布してないけど)。でも、Codex の翻訳はやったことがないし、やり方も知らないのでこの機会に教わりたい
あとは、フォーラムは他人様相手でプレッシャーがかかるとか、コアへの貢献は技術的についていけるか自信がないとか、そういう消極的な理由もあったりなかったり…と、小さな声で。
そういう考えで Codex 翻訳班に入ってみたのですが、いざふたを開けてみたら Codex とプラグイン・テーマの翻訳を希望する人がいちばん多かったですね。次がフォーラム班で、プラグインやテーマを書こうという人は少数派、コアパッチに至っては希望者ゼロ…!そのため世話役の人たちがコアパッチを書けそうな人をほかの班から引き抜いていくという展開になりました。
Codex 翻訳班では、既存のページを編集する方法を教わったあと、WordPress Codex で閲覧数の多いページから英語版より内容が古くなっているものを探して、見つけたら更新していくという作業に半日没頭しました。
コントリビューターデイを終えて思ったこと
PHP ができる人は開発まわりで貢献しよう
WordPress を扱うなら多かれ少なかれ PHP のコードを読み書きすることになるわけで、ましてコントリビューターデイに参加しようという中級以上(?)の WordPress ユーザーなら英語より PHP のほうが得意な人が多いんじゃないか…と、参加前は勝手に想像していました。ところが、実際には PHP のコードを書くコントリビュートよりも翻訳をするコントリビュートのほうがずっと人気でした。
PHP には自信がないという WordPress ユーザーは思った以上に多いのかもしれませんね。多少なりとも PHP での開発に心得のある人は、プラグイン開発やコアパッチなどコードを書く班に入るつもりで参加したほうがバランスが取れそうだなと思いました。わたしも次回は(いつあるのかわかりませんが)プラグイン開発班に入ろうと思います。
その道の達人の指導がある
今回のコントリビューターデイには WordPress ユーザーならだれでも知っているようなすごい人たちが世話人として参加していました。翻訳プロジェクトに長くかかわっている人、あの超有名プラグインの作者、コアの開発者などなど…。
プラグイン開発班に参加した方々は、かの有名な携帯電話対応プラグイン "Ktai Style" の作者として知られる池田百合子さんの厳しいもといありがたいコードレビューを受けられたそうです。プラグイン開発なら自力で進めてるから…とわたしは参加しなかったのですが、もったいないことをしてしまいました。
ひとりで何とかなると思っている人も、達人の導きで一段高いステージに進めるかもしれませんね。
いつでもだれでもコントリビュートできる!
「どこかのだれか知らない人が作ったもの」だった WordPress のドキュメントやプラグインディレクトリに自分の書いたものが載るというのはとても不思議な感じがします。オープンソースなんだからユーザーみんなが開発に参加できる…と頭では分かっていても、本当にそんなことできるの?という気すらします。
でも、実際にやってみると思いのほか敷居は低いものです。例えば Codex の日本語訳なら日本語版 Codex の編集者アカウントを取得するというステップは必要ですが、基本的にはメールを 1 本送ってお願いするだけです。特別な資格審査などなく、だれでも編集者になれます。わたしもなれました。
オープンソースのコミュニティに参加する敷居の低さを実感できたという点が、今回のいちばんの収穫だったと思います。WordPress だけでなくほかのコミュニティにも参加して楽しんでいきたいなと思います。
おまけ
ここまででもう2,500文字くらい長々と書いてしまったので、コントリビューターデイで勉強してきた Codex の日本語訳の具体的な進め方はまたの機会にご紹介します。
あと、初日のセッションデイについては各所で報告があがっていることと思うのでそちらをご参照ください(丸投げ)。実行委員長の額賀さんがブログ記事を収集していらっしゃいます。また、セッションのスライドなども追って公式サイトに集約されるようです。
ちなみに、わたしは次のセッションに参加してきました。
- 今、WordPressを使う理由
- WordPress 共同創始者の Matt による基調講演
- スターターテーマ _s の Contributor になった話
- WordPressサイト制作におけるデプロイメントを考える 〜Gitとデプロイサービスの活用〜
- 世界の最前線!VagrantやWP-CLIなどで開発環境をパワーアップ!
- WordPressをMVCフレームワークとして使用する
- DockerでImmutable InfrastructureなWordPressを考える
- ユーザーにやさしい管理画面をつくるために。テーマ制作者ができること 初級編
ということで、わたしの WordCamp はこれにて終了です。お疲れ様でした。