おすすめ書籍:DOM Scripting 標準ガイドブック
クライアントサイトの JavaScript プログラミングで知識として身につけておく必要があるのが DOM の知識です。本日は、HTML と CSS の基礎的な知識は押さえていて、JavaScript & DOM を覚えて気の利いた振る舞いを付け加えたいと考えている方に 1 冊の本をお薦めします。(現在2/3程読み終わっています)
おすすめポイントと、ちょっと…と思ったところ
この本の何がおすすめなのか、リストにまとめます。
- 画像ギャラリーを作りながら、最低限の DOM API を覚えることができる
- Web を使いにくくしないためのスクリプティング作法が身につく
- JavaScript の歴史的経緯もふまえている
- 最低限の JavaScript 構文は最初で覚えることができる
一方で、冗長な部分も少ないですがあります。
- 序盤の JavaScript の構文については、JavaScript を使ったことがある方には冗長でしょう。一方でプリミティブなデータ型やスコープについては、言語ごとの違いがありますので、他のプログラミング言語を使ったことはあるが、JavaScript はない、という方は目を通すとよいと思います
- ページ読み込み完了時のイベントを追加するaddLoadEventという関数がいたるところで登場しますが、毎回同じソースコードを載せている部分の冗長さが気になりました。なにか、Web の連載をとりまとめた書籍っぽい感じがします
画像ギャラリーを作りながら、最低限の DOM API を覚えることができる(4 - 7 章)
さて、おすすめポイントについて一つ一つ紹介していきます。
この書籍の一番のおすすめポイントは、現実的な課題について自分でスクリプトを動かしながら覚えることができることです。JavaScript を OFF にした時に機能しなくなるページをつくらない、などという意味では 2 番目も重要ですが、それ以上に現実的な課題で作りながら覚えることができる点でこの書籍に興味を持ってほしいと思います。
Web を使いにくくしないためのスクリプティング作法が身につく(主に 5 ~ 8 章)
JavaScript といえば、頼んでもいないのにウインドウがポップアップしたり、ページの文章に集中できなくなるような、タイトルバーやステータスバーの流れ文字を実現できる、「危険」な技術です。まぁ、そこまでわかりやすい例は避けるにしても、JavaScript を OFF にしたらリンクが機能しなくなった、という例は現実にあります。この書籍では、JavaScript で振る舞いを追加した結果、Web が使いにくくならない為のスクリプティング作法を身につけることができます。
JavaScript の歴史的経緯もふまえている(主に 1, 5, 12章)
歴史についての知識があることは、蘊蓄を語れる以上の意味があります。JavaScript でいえば、10 年前はよけいな振る舞いを追加した結果、ユーザーをいらだたせるような(たとえばポップアップ広告)動きをするサイトが目についていました。最近は、個人的にはほとんどなくなったと感じています。もし、10年前にブログが流行していたら、無料で使えるブログでは、ポップアップ広告が出るものもあった、のかもしれません。技術の歴史というのは、失敗の歴史でもありますので、これについて知ることができるのは貴重です。
最低限の JavaScript 構文は最初で覚えることができる(2 章)
オライリー・ジャパンの JavaScript 第 5 版では JavaScript のコア部分を 200 ページ以上を使って解説していますが、この書籍では最初に30ページを使って文法, 制御, データ型についておさらいできます。DOM Scripting で JavaScript を使うときは、これだけでもいろいろできるんですね。
さいごに
この本は DOM の知識を使って、Web を拡張すること(しかもユーザへの配慮もふまえている)に特化した書籍ですが、JavaScript の基礎知識も身につきます。
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