「Hooked ハマるしかけ」を読みました

「Hooked ハマるしかけ」を読みました

なんとこの前始まったばかりだと思っていた2015年も半分過ぎてしまいました。時の流れの早さに愕然としている kimoto です。

今回は最近読んだ本をご紹介します。

読んだ本は、「Hooked ハマるしかけ」です。去年話題になった本なので、既に読んだ方も多いかと思います。
遅ればせながら読んだので、紹介と少しの感想を書こうと思います。

本書の内容

まず、目次は以下です。

  • ハビット・ゾーン(習慣化された領域)
  • トリガー(きっかけ)
  • アクション(行動)
  • リワード(予測不能な報酬)
  • インベストメント(投資)
  • フック・モデルをどのように活かせばよいのか
  • ケース・スタディ
  • 習慣性のテストと習慣化をうながす機会を探る

目次だけ見ると、なんのこっちゃわからないかもしれません。順に説明していきます。

ハビット・ゾーン(習慣化された領域)

まず最初に、プロダクトにとっては、いかに「ユーザーの習慣」となることが重要か、という説明がされます。
その上でフック・モデルという、「トリガー(きっかけ)」「アクション(行動)」「リワード(報酬)」「インベストメント(投資)」という4つのプロセスからなるサイクルが紹介され、これを継続的に実施する事でプロダクトはユーザーにとって「習慣」となっていく、という話になります。
そしてここから先は、それぞれのプロセスの細かい説明が続きます。

トリガー(きっかけ)

行動には「モチベーション」「能力」「トリガー」が必要との事。トリガーは前章で説明されているので、ここでは「モチベーション」と「能力」についての説明があります。
ここについては喩え話がわかりやすかったのでご紹介。

携帯電話が鳴ったけどあなたは出なかった。なぜか?

  1. バッグの中に埋もれていて取り出せなかった → "能力"が足りない
  2. 非通知でセールスだと思ったから出なかった → "モチベーション"が低い
  3. そもそも着信音が小さくて聞こえなかった → "トリガー"が無い
といった具合です。

また、「能力」と「モチベーション」、どちらが優先か?という話もありました

リワード(予測不能な報酬)

報酬にも3種類あり、それぞれ「トライブ(集団)」「ハント(狩猟)」「セルフ(自己)」であるとのこと。
この章ではこの3つについて、それぞれについて細かく説明がされています。
「報酬の予想ができるようになると飽きられる」「全てを提供側が決めず自主性に任せる手もある」などの話もありました。

インベストメント(投資)

「投資」は「アクション(行動)」と似てますが少し違って、即時報酬を得られるものではなく、将来得られる報酬への期待で行われる物、とのこと。
インベストメントについては、人は何かに労力をかければかけるほどそれを高く評価するようになり、また、過去の行動と一貫性のある行動をとり、認知的不協和を避ける傾向にあるとのことです。
そして、このインベストメントが、次のフックモデルを回すためのトリガーを生み、つぎのサイクルに入るとの事でした。
この章では、そのインベストメントについて詳しく説明されています。

その他

ここからから先は、「フック・モデルをどのように利用するか」や「ケーススタディ」などの章が続きます。

感想

自分の作成したプロダクトを、どのようにしてユーザーに使い続けてもらうか?という事を、心理学的な説明や事例などを交えて説明しているので、興味深く読むことができました。
また、それなりに新しい本のため、事例もわかりやすくてよかったです。ただ、どうしても日本にいてはピンとこない事例が多かったことも事実。まあそこはしかたないですが。

使われ続けるサービスとは?を考えるにはよいきっかけになりました。
堅すぎず読みやすい本だったので、興味のある方は是非どうぞ。

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Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール
ニール・イヤール ライアン・フーバー Hooked翻訳チーム
翔泳社 2014-05-23

by G-Tools , 2015/07/02

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