セルフユーザビリティテスト検定講座を受講してきた話

セルフユーザビリティテスト検定講座を受講してきた話

こんにちは。sitoです。もう今年も残すところあとわずかですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、少し前の話になりますが、UXの勉強のために、UX DAYS TOKYOが開催している、「セルフユーザビリティテスト検定講座」というものを受講してきました。

大まかな内容としては、

  • ユーザビリティテストについての座学
  • セルフユーザビリティテスト検定(テスト)
  • ユーザビリティテストの実践

といったもので、
テストで合格点がとれると、UX DAYS TOKYOの認定ライセンスがもらえるという講座でした。

このセミナーで、特に勉強になったポイントをご紹介していきたいと思います。

2回のユーザービリティテストで、開発中のプロダクトが抱える50%の問題が発見できる

まずはユーザービリティテストの必要性についてのお話。
アクセス解析で数字から問題が発見できることもありますが、それだけでは操作性やユーザーの感情までは調査できません。
開発側が良いと思って何年もかけて作ったプロダクトでも、テストしないでリリースしたらユーザーにすこぶる不評だったということは大企業でも実例があるとのこと。

開発側の立場だとどうしても納期が優先だったり、見た目にはこだわるのに操作性がおろそかになったり、いいと思ってつけた機能でも実際ユーザーには求められていなかったり、思い当たる節もありなんとも耳が痛いお話でした。

ユーザビリティテストを2回実施するだけで、そのような問題の半分が発見できると言われているそうです。

本当は、プロトタイプ作成後、デザイン作成後、実装後、などすべての工程で実施できると尚良いということです。
終盤になってからテストして大きな手戻りになっては大変なので、なるべく初期段階で1度は実施して、できるかぎり問題はつぶした方がよさそうだと感じました。

ユーザーに「考えさせない」ことが大切

人間の脳の働きには、考えなくてもわかる「システム1」と、考えて答えを出す「システム2」の2種類があって、なるべくユーザーが「システム1」の状態で操作できることがユーザービリティでは重要ということでした。

例えば、Webサイトなら、ユーザーはページの上から順に丁寧に文章を読んでいくのではなく、パッと見て自分に必要だと直感的に判断した情報しか認識しないそうです。そんな状態でも、滞りなく操作ができないと、それはユーザーにとってストレスになってしまいます。
また、わかりづらいリンクは、1回でもリンク3回分のストレスに相当する、なんてお話もありました。

ユーザビリティテストをする際には、ユーザーが「システム1」の状態でいられているかどうかもポイントになるということでした。

また、Webサイトでいうと以下のことがパッと見てわかるとよいと紹介されました。

  • サイト名…これは何というサイトか?
  • ページ名…何というページが開かれているか?
  • セクション及びサブセクション…このサイトの主要なセクションはなにか?
  • ローカルナビゲーション…この階層で選択できるオプションはなにか?
  • 「現在地」の表示…多くの要素からなる枠組みの中のどこに位置しているか?
  • 検索…どうすれば検索できるか?

ユーザビリティテストをやってみて

座学のあとはグルーブに分かれて、宅配業者のサイトを例にユーザビリティテストをやってみました。
ユーザビリティテストは基本的に以下の3人1組で行います。

  • 被験者
  • 記録者
  • モデレーター・司会者

被験者は思ったことをすべて口に出す

sitoは被験者を体験しました。
行動(「こう思うので次にここをクリックします」など)や、感情・考えていること(「思ったページと違ったのでちょっと困っています。」など)をすべて口に出しながら操作するというのはなかなかに難しかったです。

被験者は頑張ってタスクを完了しようとしがちですが、その必要はありません。
ユーザーの正直なテストの結果が改善につながります。
離脱する結果になってしまった場合、なぜ離脱したかはきちんと伝えるようにします。

モデレーターは被験者が発言しやすいような声がけを

モデレーターは、決して、「このように操作します」というような誘導はしてはいけませんが、「何かに困っていますか?」「どうしてそこをクリックしましたか?」というように、被験者がうまく発言しやすいような声かげをするとよいということです。

記録者は表情や言動も記録を

実際にどのような行動をとったかだけでなく、ユーザーが考えていたことや感情も記録するようにします。
たとえ開発側の期待どおりの操作ができていたとしても「こうだ!」と思って操作できていたのか、「よくわからないけどやってみたらできた」では評価が変わってきます。

どのポジションも慣れるまでは難しそうな印象を受けましたが、簡易テストであれば15分かからないくらいで実施できることがわかりました。
そして簡易的なものであっても、やらないよりはやった方が圧倒的に良いのだということも実感できました。

「違和感なく使える」は「当たり前品質」

「操作しづらい」「わかりづらい」「読み込みが遅い」などはクリアできて当たり前の問題。
クリアできていなければユーザーは不満を感じ、プロダクトやサービスを使い続けてはくれない。そのような問題は解決し、さらにユーザーに「感動」を与えたり「楽しい」「お金をはらってでも使いたい」と感じてもらえたりする「魅力的品質」を目指すべし、とのことでした。

認定テストも合格できました

講座直後に受けたにもかかわらず、回答に迷う問題が多くて不安でしたが、テストも無事に合格できていたようで、後日、認定証が届きました。
また、合格者の名前はUX DAYS TOKYOのサイトで公開されています。
https://uxdaystokyo.com/license/ut/

この講座は引き続き開催されているようなので、興味のある方はぜひ受講してみてください。
https://uxdt.connpass.com/

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