WordCamp Tokyo 2015 に行ってきました #wctokyo
ねんがんの VAIO Z をてにいれた kagata です。おおむね満足しているのですが、本体色をシルバーにしたらキーボードが MacBook のぱちもんみたいで、人に見せるたびつっこまれています。これから購入を検討される方には順当にブラックをおすすめしたいです。
そんな VAIO Z をひっさげて、先週末10月31日(土)に開催された WordCamp Tokyo 2015に行ってきました。今回は参加したセッションについてご報告します。
参加したセッション
今回はエンジニアリング寄りのものを中心に以下のセッションを選びました。
- 【基調講演】「なんとなく」の壁を越えよう!自信を持って WordPress を選択するためのヒント
- オープンデータとオープンソース、そしてWordPress
- WordPressで行う継続的インテグレーション 入門編 -プラグイン開発・保守地獄から学んだこと-
- レスポンシブ・イメージのWordPressへの実装と4.4
- WordPressで行うシステム開発 〜プレミアム付宿泊券システムの作成〜
- Webサイトをめぐるセキュリティ状況と効果的な防御方法~WordPressを題材として~
- まだタスクランナー使っていないって本当(マジ)?仕事に対する効率化意識向上のためのgulpハンズオン
今回は特に新しい PC を入手した直後ということで、試運転がてらハンズオンのセッションをひとつ受けようと決めていました。いくつかある中から、以前から気になりつつ手が出せていなかった gulp のセッションを受けることにしました。
裏セッションで気になったのは WP REST API の話、電子書籍プラットフォームへの活用事例の話あたりでした。当日の動画は WordPress.tv に後日掲載されるとのことなので、それを気長に待とうと思います。
【基調講演】「なんとなく」の壁を越えよう!自信を持って WordPress を選択するためのヒント
高野直子さんによる基調講演です。内容は WordPress の近況と次期バージョン4.4のトピックス、そして当日の各セッションの紹介などでした。
「自信を持って WordPress を選択する」という点において、WordPress が「最先端の技術への対応」を積極的に進めていることが選択の決め手になっているかというと、個人的には必ずしもそういう意識は持っていないかなあ…と思いました。そういう先端技術すべてをユーザとして生かせているわけではないし、逆に自分に必要な要素に関して他の CMS のほうが向いている・進んでいるということもあるように思います。
一方、「技術の共有」というキーワードについては全面的にうなずけるというか、日々いろいろとお世話になっているなと改めて思いました。絶大なシェアを誇るだけあって、カスタマイズのノウハウもプラグインも周辺ツールも豊富に手に入ります。知名度が高いおかげで、プロジェクトメンバーだけでなくクライアントとの間でも WordPress が共通言語になりえます。このあたりは仕事のしやすさにおおいにつながっていると感じます。
オープンデータとオープンソース、そしてWordPress
海外や日本の公共団体が進めているオープンソース/オープンデータの取り組みの紹介でした。アメリカなどに比べるとまだまだとはいえ、日本も意外にがんばっているようです。
興味深いお話ではあったのですが、WordPress と関係ないような…と思っていたら、最後にどんでん返しで(?)WordPress とつながりました。
WordPress コミュニティの中でさえ、
オープンソースとは?って話になると
ユーザー目線での論理が中心
- 使うメリットは?
- コストが安い?いや高い?
- セキュリティが安心、いやそうじゃない
つまらん!
環境にも制限があるしノウハウもないお役所の人たちがこれだけがんばっているんだから、IT 専門職の自分がただオープンソース製品を使う側に甘んじていてはいけないな、と痛感しました。コントリビュートしよう。
宮内さんの講演は過去の WordCamp で何度かみているのですが、熱量は今回がいちばんだったと思います。アツいお話でした。
WordPressで行う継続的インテグレーション 入門編 -プラグイン開発・保守地獄から学んだこと-
WordPress のプラグイン Custom Post Type Permalinks の作者として知られる Toro_Unit さんのお話。Custom Post Type Permalinks の開発でのエピソードをもとに、ユニットテストがないころのつらい経験と、WordPress におけるユニットテストの概要の紹介が主な内容でした。
テスト駆動開発の話は各所でしばしば出てきますが、実際にテストがなくてつらい目にあった人の体験談は真に迫るものがありました…。ユニットテストを知らない人にも、その意義がわかりやすかったんじゃないかと思います。
レスポンシブ・イメージのWordPressへの実装と4.4
フィーチャープラグインとして開発されていたレスポンシブイメージ導入のためのプラグイン RICG Responsive Images が次期バージョン4.4で WordPress 本体にマージされることになりました。
機能の使い方自体は細かい設定などもなく簡単ではあるものの、効果的に使うためには考えないといけないことが多いとのことでした。が、いろいろおもしろいことができそうな技術ではあります。
WordPressで行うシステム開発 〜プレミアム付宿泊券システムの作成〜
富山県魚津市のプレミアム宿泊券購入サイトを WordPress で構築した事例の紹介でした。
技術的なトピックとしては、WordPress でのトランザクションの実装( $wpdb->query()
で LOCK TABLES
するんだそうです)、公式テーマのカスタマイズによるオリジナルの管理画面の実装など。トランザクションを苦労して実装したはいいものの、レースコンディションが発生するほど申し込みが殺到しなかった…とか、手間ひまかけたのに日の目を見ない実装ってありますよねわかります。
ちなみにわたしは、WordPress 案件にアサインされたら「投稿タイプの設計」から手をつけるタイプです。
Webサイトをめぐるセキュリティ状況と効果的な防御方法~WordPressを題材として~
PHP カンファレンスなどではおなじみの徳丸浩さんが WordCamp に初登壇とのことで、楽しみにしていました。招待講演だったようですね。
WordPress に対して攻撃を仕掛けるデモが数々見られました。エンジニアでない人も多数参加する WordCamp で、このデモで何が起こっているのかちゃんとみなさんに伝わっているのかな…と当初は不安でしたが、会場の反応を見る限り杞憂だったようです。ちゃんと対策しないと危険だという話はよくききますが、実際にどんなことができるか目にすれば、技術に明るくない人にも対策の必要性が伝わるかもしれません。
淡々とした語り口ながら要所ではしっかり笑いをとるあたり、ほんとうにおもしろい人ってこういう人だよな、自分もそうありたいものだと思いました。
まだタスクランナー使っていないって本当(マジ)?仕事に対する効率化意識向上のためのgulpハンズオン
gulp の導入についてのハンズオンでした。npm 経由での gulp のインストールから始まって、ファイルの監視や Browsersync が使えるようになりました。サンプルコードは GitHub に公開されています。
個人的にはまったのが、npm run gulp
でデフォルトのタスクは実行できるけど npm run gulp copy
で copy タスクが実行できない(コマンドをたたいても何も起こらない)という現象でした。調べたところ npm run gulp
にコマンドライン引数でタスクを指定できるのは npm バージョン2以降だそうで、npm のバージョンが古すぎたようです。nodist 経由で node.js 4.2.1をインストールした際についてきた npm のバージョンは1.4系でした…。npm update -g npm
で npm を最新バージョンにアップデートしたら解決しました。
WordCamp の gulp セッションということで WordPress での作業効率化に gulp を使うのかな…と思っていたのですが、それについては口頭でふれられた程度でした。ハンズオンの前に WordPress がローカルで動く環境を作っておくようにとのお達しがあったのですが、結局ハンズオンでは使わずじまいでした。もっとも、つっかえる人がわたしも含めあれだけ出る中で、あれ以上の内容を盛り込むのは時間的に難しいだろうと思います。
そういえば、この会場でも近くの方に「MacBook みたいなキーボードですね」とつっこまれました(汗
まとめ
WordCamp Tokyo 2015で参加したエンジニア寄りのセッションについてレポートしました。
今回はスケジュールの都合により、セッション後の懇親会や翌日のコントリビューターデイには参加しませんでした。次回は交流やコントリビューションにも手を出せたらいいなと思います。